はじめに
Cygwinで自動でインストールできるPostgreSQLってバージョンが8.x系なんです。
9.x系から使える便利機能もあるので、これでは開発には向きませんね。
ということで、本稿では起筆時の最新であるPostgreSQL 9.1.4をCygwinにインストールする手順をメモ書き程度に記載します。
基礎知識
記事を読んでいくだけで大丈夫なようにしますが、下記を知っていればもう言うことはありません。
- Cygwinのインストールはしたことがある
- Linuxの基本的なコマンドは理解できる
- PostgreSQLをCygwinにインストールする時の注意事項を読んでいる
この方法が推奨されてようがなかろうが、とにかくCygwinで最新のPostgreSQLが動かいたいんだ!という人のみこの先へお進みください
導入手順
Cygwinのインストール
ここからダウンロードします。
Cygwinは1.5系と1.7系があるが、もちろん最新の1.7を使用します。1.7系はレジストリを変更しないので、なにか怖くなったらcygwinフォルダごと消し去ってくださいw
必須パッケージ
今回は最小インストールを目指すので、パッケージ選択画面ではデフォルトで選択されているもの以外に下記のものを選択します(依存パッケージも含む)。
- gcc-core
- gettext-devel
- make
- readline
- vim
- zlib
間違えても、ここでPostgreSQLを選択しないでくださいね!泣きます
PostgreSQLのインストール
まずはソースをダウンロードします。
ココらへんに置いてください。
/usr/loca/src/postgresql-9.1.4.tar.gz
$ cd /usr/loca/src $ tar xzvf postgresql-9.1.4.tar.gz $ cd postgresql-9.1.4 $ ./configure --enable-nls=ja $ make $ make install
今回は最小構成でインストールするので、各種オプションはお任せします。
これでインストールは完了です。簡単ですね。
環境変数の設定
ローカルの開発環境なので、postgresなんてユーザ作ることはせずに、自分で実行します。
.bashrcにこんな感じで追加すれば大丈夫でしょう。
# for postgresql export POSTGRES_HOME=/usr/local/pgsql export LD_LIBRARY_PATH=$POSTGRES_HOME/lib export PGDATA=$POSTGRES_HOME/data export PATH=$PATH:$POSTGRES_HOME/bin
Cygwinのお約束
cygserverの設定を行います。これはcygwinを起動していない時でもちゃんとcygwinで実行中のサービスが動いているようにするためのものらしいです。Windowsには依存したくないので、サービスには登録しないを選んでください(8行目)。
$ cygserver-config Generating /etc/cygserver.conf file Warning: The following function requires administrator privileges! Do you want to install cygserver as service? (Say "no" if it's already installed as service) (yes/no) no Further configuration options are available by editing the configuration file /etc/cygserver.conf. Please read the inline information in that file carefully. The best option for the start is to just leave it alone. Basic Cygserver configuration finished. Have fun! $ /usr/sbin/cygserver &
データベースの初期化
$ initdb --no-locale データベースシステム内のファイルの所有者は"xxxxxxxx"ユーザでした。 このユーザがサーバプロセスを所有しなければなりません。 データベースクラスタはロケールCで初期化されます。 デフォルトのデータベース符号化方式はSQL_ASCIIに設定されました。 デフォルトのテキスト検索設定はenglishに設定されました。 ディレクトリ/usr/local/pgsql/dataを作成しています ... ok サブディレクトリを作成しています ... ok デフォルトのmax_connectionsを選択しています ... 40 デフォルトの shared_buffers を選択しています ... 32MB 設定ファイルを作成しています ... ok /usr/local/pgsql/data/base/1にtemplate1データベースを作成しています ... ok pg_authidを初期化しています ... ok 依存関係を初期化しています ... ok システムビューを作成しています ... ok システムオブジェクトの定義をロードしています ... ok 照合順序を作成しています ... このプラットフォームではサポートされません 変換を作成しています ... ok ディレクトリを作成しています ... ok 組み込みオブジェクトに権限を設定しています ... ok 情報スキーマを作成しています ... ok PL/pgSQL サーバサイド言語をロードしています ... ok template1データベースをバキュームしています ... ok template1からtemplate0へコピーしています ... ok template1からpostgresへコピーしています ... ok 警告: ローカル接続向けに"trust"認証が有効です。 pg_hba.confを編集する、もしくは、次回initdbを実行する時に-Aオプションを使用することで変更することができます。 成功しました。以下を使用してデータベースサーバを起動することができます。 postmaster -D /usr/local/pgsql/data または pg_ctl -D /usr/local/pgsql/data -l logfile start
サーバ起動
起動コマンドをinitdb終了時にご丁寧にも書いてくれていましたが、オプションの-D /usr/local/pgsql/dataは$PGDATAが設定されていれば指定不要なので、それは付けずに起動します。
$ postmaster
これでOK。
さて、別シェルを叩いてDBに接続をしてみましょう
$ psql postgres /usr/local/pgsql/bin/psql.exe: error while loading shared libraries: cygpq.dll: cannot open shared object file: No such file or directory
ん?cygpq.dllがないといっておる。
LD_LIBRARY_PATHの設定はされているはずなのに…なぜ?
でもここは慌てない。ライブラリはちゃんと存在しているので、psqlコマンドがロードできる場所にも置いてしまえばいい!(のか?)
$ cp /usr/local/pgsql/lib/cygpq.dll /usr/local/pgsql/bin
もう一度
$ psql postgres psql (9.1.4) "help" でヘルプを表示します. postgres=#
ほらね
あとは煮るなり焼くなり好きにしてください
通常の運用
通常の起動はこんな感じで簡単
$ /usr/sbin/cygserver & $ postmaster